ここまではプラネックスについて、これまでどのような経営方針の元に発展してきた企業なのかについて、詳しく解説してきました。プラネックスという企業は最高経営責任者である中田氏が全権を握り、きわめて短期間で業績を伸ばしてきた会社です。
そこには通常のIT企業とは明らかに異なるアプローチがあったはずです。そのあたりについては今回のページで詳しく解説していきたいと思います。また、プラネックスが今後10年というスパンでどういった経営のビジョンを掲げているのかについても、様々な角度からアプローチしていきたいと思っています。
プラネックスは起業した際の資本金がわずか500万円でした。これは株式会社としての最低資本金が1000万円であるのに比べても少なく、いかにも心もとない金額と言えます。とくに起業当時の92年は、世の中全てがバブルで好景気に沸いていました。資本金が少ないなら銀行がいくらでも貸してくれるようなご時世です。そのような状況の中で、プラネックスがわずか500万円という資本金で運営をスタートしたのにはワケがありました。
それは、「自分自身の力で切り開く」という信念でした。そこにはやはり最高経営責任者である中田氏の意向が強く反映していました。まずは資本金を短期間で上回るだけの利益を挙げ、そしてそこから半年間でさらに500万円の利益を上げる、そして合計1000万円の資本金を自分たちの活動だけでステップアップしたいというのが中田氏の狙いだったのです。
実際にプラネックスは起業からわずか2年ばかりで資本金を1000万円に積み上げ、株式会社として上場することができました。(プラネックス 志村芳希)